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~池田浩彰と少年少女名作文学の挿絵画家たち


 私が、池田浩彰の絵を最初に見たのは、子供の頃に父が買ってきてくれた「少年少女世界の名作文学」という全50巻の児童向けの本の挿絵でした。
 その本には、他にも伊藤彦造や、玉井徳太郎、山中冬児、久里洋二、伊勢谷邦彦、蕗谷虹児、……今を思えば錚々たるメンバーの挿絵が掲載されていたのです。監修が川端康成というだけに、内容的にも世界の名作のほとんどを網羅していたと思いますし、一つ一つの作品の雰囲気とぴったりで、素晴らしく綺麗な挿絵が沢山入っていて、それを見るたびにどきどきわくわくしたものです。
 ここに載せたのは、その中のごくわずかの挿絵です。これだけでも、ため息ものの充実度です。

        伊藤彦造「平家物語」
        平家物語


 玉井徳太郎「若草物語」
若草 玉   若草

                      若草4


    山中冬児「バンビ」                     山中冬児「ガリバー旅行記」
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   山中冬児 ガリバー旅行記                    
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    久里洋二「点子ちゃんとアントン」
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  伊勢谷邦彦「怪傑ゾロ」
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            ゾロ 伊勢田邦彦

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            蕗谷虹児「聊斎志異」
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            虹児


 ちょっと前置きが盛り上がってしまいましたが池田浩彰さんに話を戻すと、このAFTENOONTEAのブログで、前に少し、池田さんの絵に触れたところ、結構な頻度で「池田浩彰」でキーワード検索、アクセスしてくる訪問者が多い事に気づきました。やっぱり人気があるんだなぁと、けっこう嬉しくなってしまったので、情報が少ないながらも、自分なりに”池田浩彰”特集を組んでしまおうかなと!

ところが、池田浩彰さんの情報はとても少ないのです。もう亡くなられたということですが、ネットや本で調べたプロフィールは、

池田浩彰
 1925年、 大連(現在の中国の旅大市大連)に生まれる。独学で絵の道にはいる。
 ロシア占領下時代の建築物が並ぶヨーロッパをおもわせる街、大連で培われた美意識と、日本的なるものへの憧れ、東洋と西洋が結合したような永遠のボヘミアンを理想とする生き方の中で、ロマンチズムに満ちた画風が生まれた。



 解説には、昭和30年頃から多くの児童書や文学書の挿絵を描いたともあります。少年少女名作文学にもソビエト編に多くの挿絵を描いておられるのを見ると、プロフィールにロシア占領下時代を生き抜いてきたとあるのが頷けるような気がします。池田浩彰というと、お姫さまっぽい絵を想い浮かべてしまいますが、こんな骨太な挿絵もあるのです。

            ソビエト編4「若き親衛隊」  躍動感が凄いです! こちらに向かって馬が駆けてきそう。

            若き親衛隊2


若き親衛隊     若き親衛隊1



   こちらはソビエト編5の「ビーチャの学校生活」の挿絵です。こちらは児童書っぽい挿絵で可愛いですね。

   ビーチャの学校生活2     ビーチャの学校生活


             ビーチャの学校生活3



             日本編1「古事記」 
             天の岩戸に篭ってしまった天照大神を外に出すために踊る天宇受賣命(アメノウズメ)
             神楽の音が聞こえてきそうな感じがします。

           古事記1

古事記2   古事記


 もちろん、池田浩彰の真骨頂といえば、お姫様! 少年少女文学全集の他の挿絵には、こんな素敵な物が沢山あります。

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                「白鳥の王子」
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     「シンデレラ」
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        「人魚姫」
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池田浩彰さんの挿絵を少しだけ紹介しましたが、また、本棚の奥にしまってある分も追々載せてゆきたいと思います。
尚、下の国会図書館の検索サーチで、彼の挿絵のある本のサーチができます。参考まで。

国会図書館サーチ 池田浩彰
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白山神社の紫陽花祭り


6/14に文京区の白山神社に行ってきました。
3,000株の紫陽花は、ほぼ、満開。
霧のような雨が降っていましたが、しっとりと濡れた花々が美しかったです。5月の根津神社のサツキも綺麗でしたが、萌える紅という感じのサツキとは違って、紫陽花は絹糸のような艶やかさがありました。


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白山神社の主祭神は、菊理姫命(ククリヒメノカミ)伊弉諾命(イザナギ)伊弉冉命(イザナミ)で、縁結びのご利益があるそうです。その由来は、

日本神話に、神産みの時に大火傷をおい、死んで黄泉の国へ行った妻・伊弉冉尊(イザナミ)に逢いに黄泉を訪問した夫・伊奘諾尊(イザナギ)は、妻の変わり果てた姿を見て逃げ出した。「一緒に帰ることはできない」と言った伊奘諾尊と伊弉冉命が口論となった時、菊理媛神(ククリヒメノカミ)が何かを言うと、伊奘諾尊はそれを褒め、帰って行ったとある。→何を言ったかは不明。気になりますが…。

この説話から、菊理媛神は伊奘諾尊と伊弉冉尊を仲直りさせたとして、縁結びの神とされたそうです。また、死者(伊弉冉尊)と生者(伊奘諾尊)の間を取り持ったことからシャーマン(巫女)の女神ではないかとも言われ、ケガレを払う神格ともされているそうです。

また、白山神社には歯痛止めのご利益もあるそうで、期間中に歯ブラシ供養などもされてるとか。


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                                           白ユリとのコラボもなかなか良いコントラスト。


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     紫陽花祭りの期間だけ、普段は閉められている富士塚が
     午前9時から午後5時が解放されます。
     敷地は狭いですが、綺麗! 一見の価値があります。

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  【期間】 平成25年6月8日(土)~16日(日)
  【会場】 白山神社(文京区白山5-31-26 )及び白山公園

  【交通】

   都営地下鉄三田線「白山」駅より徒歩3分
   東京メトロ南北線「本駒込」駅より徒歩5分
  都バス草63「白山上」より徒歩3分
     

国立西洋美術館 常設展


ラファエロ展、ダ・ヴィンチ展、ルーベンス等など、各美術館では色とりどりの企画展が次々に催されていますが、常設展示にも素晴らしい絵が沢山あるのを最近知りました。
 例えば東京、上野にある国立西洋美術館の常設展は観覧料が420円と信じられないほどの安さにもかかわらず、あの画家のあの名画が! と驚くほどの充実度です。
 特に、その展示物の大半を占めている松方コレクションは凄いです。

松方コレクションとは

㈱川崎造船所の社長であった故松方幸次郎が、第一次大戦末期から1920年代初頭に欧州各地で集めたもののうち、第二次大戦後にフランスから寄贈返還されたコレクション。

多くの作品が散逸してしまいましたが、国立西洋美術館に収蔵されているのは、その中の西洋美術のコレクションのうち、近代フランスの絵画・彫刻等約370点で、特にモネの絵画、ロダンの彫刻彫刻がまとまって収集されています。
松方本人は自分のコレクションについてのまとまった著作を残していないので、「幻のコレクション」とも呼ばれてきたそうですが、研究者の努力により近年では、コレクションの全容が解明されつつあるそうです。


 私が訪れたのは6/7(金)の午後5時すぎだったので、観覧者も少なく、本当にじっくりと1枚の絵を見ることができました。この時間帯の観覧者は100%が一人で来ている人たちでした。

常設展への入り口はフリーゾーン(無料)で、ロダンの「考える人」(拡大版)や「地獄の門」などの彫刻が設置されています。

この「地獄の門」は、ダンテの「神曲」をテーマにして制作された、オーギュスト・ロダンの未完の作品で、「考える人」はこの門を構成する群像の一つです。このロダン作「地獄の門」は、国立西洋美術館、静岡県立美術館をはじめ、世界に7つが展示されているそうです。
「地獄の門」の前に立った時の何ともいえぬ重厚感! 夕暮れの時間に見たので余計に雰囲気がありました。
 

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 フリーゾーンから館内に入ると、展示エリアは、4つのエリアに分けられて展示されています。

その主な作品です。

*彫刻エリア:

19世紀から20世紀にかけての他の有名な彫刻作品や、特にロダンの代表作のほとんどが網羅されて展示されています。
「考える人」「バルザック」「地獄の門」など

*18世紀末までのオールドマスター(西洋の中世後期から18世紀末までに活躍した作家)の絵画エリア


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                 ヨース・ファン・クレーフェ [1485年頃 - 1540/41年]

*この三連祭壇画はクレーフェ後期の作品と推定される。中央部に「キリスト傑刑」が表わされ、左右の翼部にはこの祭壇画の寄進者夫妻の跪く姿が描かれている。この三連形式は初期キリスト教美術から発生し、中世以降は祭壇画の標準フォーマットとなった。

                       ヘーラルト・ダウ シャボン玉を吹く少年と静物 1635-36頃 

                ヘーラルト・ダウ シャボン玉を吹く少年と静物 1635-36頃

*画面に描かれたシャボン玉、髑髏、砂時計、羽飾り付きの帽子、瓢箪などから、この作品は、メメント・モリ”死を記憶せよ”をテーマとする、いわゆる「ヴァニタス」画、すなわち、静物の描写を通して人生の虚しさや儚さ、あるいは移ろいやすさを表現するものであることが知られる。
”ヴァニタス”の意味は空虚で、芸術で、以前の静物画には何かしら死を意味するモチーフを入れるべきだと考えられていたと思われる。
ただし、通常の「ヴァニタス」画とはやや異なって、シャボン玉を吹く少年は翼を具えた天使として描かれており、ここには何らかの宗教的意味合いも重ねられているように思われる。

 私は、ヴァニタス画ってけっこう好きなんですが、少年の視線の追う先には何が映っているんでしょうね。気になるところです。

【超余談】 以前に観たヴァニタス画は、人体図で、理科室にある人体模型のような人物画が官能的なポーズをとっていて、その背景には繊細な風景画が描かれてました。昔の人は、人体図も風景画として見ていたのかな。今と昔の感性の違いを感じてしまったけれど、けっこう心魅かれてしまいました(笑)      

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こういう絵です。16世紀のアンドレアス・ヴェサリウスという解剖学者で医師が書いたものです。背景の村は、この医師の故郷だたとか。細密描写が秀逸ですね。これは国立西洋美術館の所蔵じゃないのですが。


ちょっと、横道にそれてしまいました。本題に戻ります。次は展示作品の中でも絵葉書の売行きが2位の人気作だとか。

                   カルロ・ドルチ 悲しみの聖母 1655頃

                         カルロ・ドルチ 悲しみの聖母 1655頃

これは、ドルチ、39歳の時の作品で、淡い光背に包まれ、フェルメールブルーとしても有名な青。ウルトラマリンブルーと言われる”ラピスラズリ”で衣服を描いた絵。聖母マリアの美しくも悲痛な表情は、観者の心に深い感銘をあたえます。そして、本当にこの青は素敵な色ですね。

【他作品】

アブラハムとイサクのいる森林風景 ヤン・ブリューゲル 1599
   アブラハムとイサクのいる森林風景 ヤン・ブリューゲル 1599       フュースリ グイド・カヴァルカンティの亡霊に出会うデオドーレ 1783年ごろ
                                       フュースリ 1783年頃
                                      グイド・カヴァルカンティの亡霊に出会うデオドーレ 


                 
ジャン=マルク・ナティエ マリ=アンリエット=ベルトレ・ド・プルヌフ夫人の肖像 1739
         ジャン=マルク・ナティエ マリ=アンリエット=ベルトレ・ド・プルヌフ夫人の肖像 1739
    

*松方コレクションとフランス近代絵画のエリア:

ここには、ドラクロワ・クールベ・ミレー、ブータン、マネ、ピサロ、ルノワール、セザンヌ、ゴーガン、ゴッホ、シニャックなど19世紀から20世紀初頭にかけてのフランス美術史を代表する作品が見ることができます。

何と言っても素晴らしいのは、人気NO.1のクロード・モネの「睡蓮」です。
館内はフラッシュoffにしておけば、禁止されている作品以外はすべて撮影OKなので、好きな絵をカメラや携帯に収められるのもいいですね。

                    モネ 睡蓮 1916

                          クロード・モネ 「睡蓮」 1916

*モネは、日本風に造成した庭園に睡蓮を浮かべ、この連作に没頭していく。そして、時とともに移り変わる池の様子、水面の反映と鮮やかな花の美しさを描き出してゆく。この作品は、モネ晩年の「睡蓮」に属すが、その中でも最も優れたものの一つである。

      クロード・モネ 舟遊び 1887             黄色いアイリス 1914-17年ごろ
                モネ 舟遊び 1887                  モネ 黄色いアイリス 1914-17頃


 ゴッホの絵もありました。これは、1889年にゴーガンと別れ、サン=レミの精神療養所へ移ったゴッホが描いた作品。

                    ゴッホ ばら 1889

                      フィンセント・ヴァン・ゴッホ 「ばら」 1889

*当初、病院の医者はゴッホの行動と制作の範囲を病院の庭に限定したため、5月の間はもっぱら庭のモチーフを描いたようだ。
 ゴッホの作風は、ゴーガンと離れたことで、彼の影響下で生まれた平面的な様式から、ゴッホ本来の粗い筆致に次第に戻っていく。しかもその後のサン=レミ時代にはっきりと現れてくる「うねるような」筆致を並置する彼独特の技法もすでにここに窺うことができるのである。


 気になった作品は数々ありますが、こちらのドニの作品はあどけない子供の表情やしぐさが、とても可愛かったです。この絵の制作された1890年は、ドニが初めてサロンに入選し、続いて「絵画とは、一定の秩序のもとに配された色彩によって覆われた、平らな面であることを忘れまい」という、有名な絵画の定義を含む論文を発表した重要な年なのだそうです。ドニといえば、またまた余談ですが、あの「ジョジョの奇妙な冒険」の作者、荒木飛呂彦さんも、「日曜美術館」というTV番組で、色使い(特にピンク色)や家族をテーマにした作風が好きだとおっしゃってました。荒木さんの絵は私も大好きなので、横に載せてしまおう。

  ドニ 雌鶏と少女 1890     134294609694113114515_pos03.jpg

モーリス・ドニ 「雌鶏と少女」 1890              荒木飛呂彦 jojo(ドニとの共通点は?)
                                  国立西洋美術館にこの絵はありませんよ


                                
【その他の展示作品】

    セザンヌ 花と果物がある静物    ルノワール アルジェリア風のバリの女たち

        セザンヌ「花と果物がある静物」         ルノワール「アルジェリア風のバリの女たち」


  モロー 牢獄のサロメ       ルノワール 花と果物のある静物

           モロー「牢獄のサロメ」                 ルノワール「花と果物のある静物」


ヨハネの首を求め、男性を破滅へと導くファム・ファタルの代表としてのサロメを描いたモローの絵。素敵ですね。また、セザンヌ、ルノワールの同じ題名「花と果物のある静物」の2枚の絵を見比べてみるのも楽しいです。


*20世紀絵画のエリア:

ここには、ドラン、マルケ、ピカソ、スーティン、レジェ、エルンスト、ミロといった画家たちの作品がありました。

   1953フェルナン・レジエ 赤い鶏と青い空       ジョアン・ミロ 絵画 1953

      フェルナン・レジエ「赤い鶏と青い空」1953           ジョアン・ミロ 絵画 1953                  

*レジエの赤い鶏と青い空》は、第二次大戦の戦禍を避けていたアメリカから母国に帰った晩年のもので、空の青と鶏の赤、自然と機械の断片といった取り合わせに、彼のコントラストの理念が生きている。
また、ミロの作品では常に自然に基づく象徴的記号が登場する。この作品でも、太陽や星を示す記号が極めて単純化されて、画面の重要な構成要素となっている。

 どららの絵も、先の時代の作品よりも、色彩やコントラストが、はっきり、くっきりで、造形もより単純化されて、自由な感じがしました。

 ここに載せたのは、展示物のごくわずかで、途中で余談も入れてしまいましたが、こんなに安い観覧料でこれだけの名画が日本にいながらにして見れるなんて、本当に素晴らしいです。色々な美術館で企画展は数々ありますが、やはり観覧料はちょっと高い。
 故松方幸次郎が、これらの芸術品を収集する際の目的は、自分のためのコレクションではなくて、日本の若い芸術家や人々に、海外の素晴らしい作品を見てもらうためだったそうです。
有難う!松方さんと言ってしまいたくなりました。


国立西洋美術館 常設展のHPはこちら

プロフィール

kazanasi

Author:kazanasi
絵画、小説を中心に観たり読んだり、自作で作ったり。サブカル全般に興味があります。暖かい時期には山登りもします。アナログとデジタルの間を行ったり来たりしてる人間です。


【kazanasiの本】




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