宝塚歌劇 「愛と革命の詩」~アンドレア・シェニエ


10/16(水)東京宝塚劇場に花組公演 ~「愛と革命の詩」アンドレア・シェニエ~、ショー・オルケスタ『Mr. Swing!』を観に行きました。
 おりしも超大型台風26号が午前は関東を直撃?! という悪天候でしたが、公演時間の午後6:30までには、強風は残っていたものの台風も去り、無事に観劇することができました。良かった~。

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「愛と革命の詩」は、イタリアオペラの中でも傑作の一つと言われるジョルダーノの「アンドレア・シェニエ」をベースにしたミュージカルです。

★物語のあらすじはこんな感じです:

バスティーユ牢獄への襲撃から始まったフランス大革命後、詩人のシェニエ(蘭寿とむ)は、帰国後、「自由」「平等」「博愛」の理念に共感し、穏健派の一員として革命に参加するようになる。この時、シェニエ28歳。
 だが、国内では、ルイ16世処刑後、ジャコバン派のロベルピエールらが、独裁権力を握り、恐怖政治を行っていた。これに対し、論客として革命の理想を説いたシェニエは、牢獄へ投獄され、ついには32歳の若さで断頭台の露と消える。
 この物語に、シェニエに永遠の愛を誓う伯爵令嬢 マッダレーナ(蘭乃はな)革命の理想と現実の間に行き場を失う革命政府の闘士ジェラール(明日海りお)などの登場人物を加え、当時の人々の生活や思想なども反映させた奥深い脚本がみどころ。



 劇場は、立ち見も大勢出る盛況ぶりで、堅実なストーリーながらも、シェニエとマッダレーナの愛は、”どえらい”ラブロマンスと、事前に聞いていたとおりの感動のラストでした。

 特に注目したのは、大きな羽根を広げた舞台デザインです。他の色を抑えた銀色の色調が優美で華麗。
 そして、台詞はなく、歌うこともなく、ただ時折に姿を見せてやんわりと踊る、実在の人物ではない観念としての Angel White(白い天使)と、Angel Black(黒い天使)が、不思議な存在感を見せていました。

 白天使:この世の善なるものの象徴と、黒天使:この世の悪なるものの象徴を現しているそうですが、この2天使を演じた大型新人の(冴月留那)、(柚香光)の演技は、ファンタジックでとても印象に残りました。特に黒天使を演じていた柚香光さん、素敵っ。


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               銀色を主体にした舞台。優美という言葉がぴったりです。


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      白天使と黒天使、片翼ずつで一人です
      人の心の光と闇といったところでしょうか          黒天使の柚香光 素敵♥



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       シェニエの詩によって真実の愛に目覚めるマッダーレナと、シェニエの再会のシーン


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 投獄されたシェニエ 獄中でも詩を書き続ける


 お話のクライマックスとなる哀しくも美しいラストシーンですが、ネタバレしてしまうと、

 シェニエが捕えられてる牢獄にやって来た、マッダレーナはシェニエと同時に死刑となる予定だったレグリエという名の若い女性の身代わりになると言う。
 ジェラールはこの時、マッダーレナを止め、ロベスピエールにシェニエの命ごいをしょうと提案するのですが、
シェニエとマッダレーナは、愛し合ったまま共に死ねる幸せを歌い、刑執行の時を迎える。

 看守が死刑囚の名を点呼する。「アンドレア・シェニエ」「私だ」、「イディア・レグリエー」「私です」。2人は誇らしげに、ギロチンへと向かう。


 現代風なラブロマンスでは、こうはならないだろうなぁと思わせてしまうラストで、これが映画や普通の演劇だと、かなり重くなってしまうようなシーンですが、死に向かってゆく二人が、まるで夢の世界へ旅立って行くように思わせてしまう。そこに、宝塚ならではの演出と、役者さんの魅力を存分に感じてしまいました。

劇中には出てきませんが、アンドレア・シェニエの代表的な詩
「囚われの若き女」を紹介しておきます。静かな語り口だけれど、力強く人の心に響いてくるこの詩は、現代でも、人の心を捉えてしまうのではないでしょうか。いい詩だ~。

【囚われの若き女】

穂立ちの麦が利鎌をよそにみのり、搾られる恐れを知らず、夏の葡萄が、
暁のもたらす甘い露をふくむ、私もまた、そのように、美しく、若い、
いかにいま、不安に悩み、苦しみに喘ごうとも、まだ死にたくない。


涙涸れた苦行の徒なら、いさぎよく死を迎えがよい、しかし私は歎きつつ
希望を捨てない 陰惨な北風に、頭は伏すとも折れはしない。


苦しい日があれば、きっと楽しい日がある! ああ!
口に苦さを残さぬ蜜があるか? 嵐をもたぬ海があるか?


幻想はゆたかに住む、私の胸に、牢獄の壁がいかに重くのしかかるとも、
私にはある、希望の翼が。


残酷な鳥刺しの網をのがれ 空の広野に 嬉々として力いっぱい、
鶯(ナイチンゲール)は、うたいつつのぼる。


死ぬというのか、この私が? 静かにに眠り、静かに目ざめ、
目ざめるときも、眠るときも、心を責める何もない私が。


生きる私を迎える人々の眼は、すべて頬笑む、ここにいて私を見れば、
打ちひしがれた人々の面もむしろ喜色によみがえる。



そして、劇の後は、文句なしに楽しい ショー・オルケスタ『Mr. Swing!』です。
ショーの花組と言われるだけあって、1時間があっと言う間。まさに宝塚の醍醐味を楽しむことができましたよ♪

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 今回は観覧特典というのでしょうか、宝塚特製のクリアファイルももらえましたし、大満足でした!
 前回、観た「モンテクリスト伯」は星組。今回の「愛と革命の詩」は花組だったので、次は別の組も観てみたいです。

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                クリアファイル  公演後半だと写真が違うそうです。

     

春日大社~鹿の角切


10月13日に、春日大社に近い奈良公園で行われた鹿の角切を観てきました。
といっても、事前に計画していたわけではなく、たまたま用事で大阪の実家に戻っていた時にTVで観たNHKのニュースで、このイベントが10月のこの3連休だけに行われていることを知り、「そうだ! 奈良に行こう!」と、思い立ったのでした。せっかく、関西に来てるんだもん。近鉄電車に乗ってGO(大阪からはJRでも行けます)
近鉄奈良駅から春日大社までは、徒歩で20~30分ほど。けっこう距離がありますが、奈良公園には野生の鹿が沢山いて、かわいい姿を見せてくれます。


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  木漏れ日の中の小鹿がかわいい。                 鹿せんべいちょうだい。
  でも、近づきすぎると、親鹿が攻撃してくる場合も!


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                                 春日大社の参道。万灯篭の時はこの灯篭に灯りがつきます。

鹿の角切りは、江戸時代初期の寛文11年(1671年)より、今日までおよそ330年あまりに受け継がれてる伝統行事で、発情期をむかえた牡鹿の角により、人が危害を受けたり、鹿がお互いに突き合って死傷するのを防ぐために奈良奉行が当時の管理者である興福寺の許可を得て始めたと伝えられています。

会場近くまで行くと、紅白の幕で仕切られた会場の前に長蛇の列が! このイベントを観ようと、けっこうな人が集まっていました。

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平成25年、7月時点で、奈良公園の鹿の総数は、1,393頭。国が指定した天然記念物なので、とても大事に保護されていますが、死因は交通事故、疾病が多いようです。

角切りに、皆が思う疑問に「角を切られて、鹿は痛くないの?」というのが多いようですが、上図のように10月頃の牡鹿の角は神経が通っていないので痛くないし、血も流れません。ただ、4月頃から8月頃までは、血が通っているので、この頃に切ると多少の痛みは感じるようです。

さて、鹿の角きりですが、30分ほど、並んだ後に、会場に案内されました。サッカーグラウンドを狭くした感じの場所で、階段状になった観覧席から角きりを観ることができます。説明役の方に軽妙なアナウンスとともに、鹿を追う勢子たちが入場。法被姿に手には縄。なかなかのかっこ良さです。


 江戸時代から続くこの伝統行事を支えるのは、この行事の花形ともいえる勢子(せこ)。18名。鹿を捕まえ、神官役が角を切る際に暴れないように押さえる役目などを担う勢子は、奉仕によって支えられているそうです。

 角きりは、勢子が楕円(だえん)型の角切り場に3頭の鹿を追い込み、赤い旗の付いた竹ざおを持って並び、鹿を縁(ふち)に沿って走らせるように誘導。そして、クロスさせた竹の回りに縄をかけた「十字」と呼ばれる捕獲具をシカの角目がけて投げ、縄をかけて鹿の動きを止めると、徐々に縄をたぐり寄せて暴れるシカを押さえて捕らえる流れ。この時にもきちんとフォーメーションが決まっているようで、

「きれいに回そ! きれいに回そ!」
「一列に並ぼ!」

 など、独特の言い回しで掛けられる勇猛な掛け声は印象的でした。

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      一匹の鹿だけを追いこんで、                 綱を角に掛けて捕えた鹿を柱に括りつける
      他の鹿には見えないように幕を引く


 普段は皆それぞれの職業で普通の生活を送っている勢子は、毎年この伝統行事を守っているという誇りとプライドを胸に、鹿を守るために、観衆を楽しませるために、当日にこの場所に集まり心を一つにして角きり場で活躍しています。


    短いですが、動画だと少しは迫力が伝わるかな。
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 鹿を捕えるのは勢子ですが、角を切るのは神官です。春日大社の鹿は神聖な動物なのです。

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                           みごとに2本の角を切ることができました。

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       角を切った後に暴れるので、鹿を解放するにも、気が抜けませんね。


 角切りを観た後に春日大社の方にも参拝してきました。相変わらず、綺麗な社屋です。

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 今回は、たまたま、だったものの、奈良の伝統行事を観ることができて、とてもラッキーでした。勢子には若い人も何人かいて、ベテランの方と一緒に参加されていました。友達が見にきていたようで、「かっこ良かったよ!」の声援に、「俺…今日は、何にもしてなかったから」と、恥ずかしそうに頭をかいていた姿が印象的でした。きっと、何年か後(来年?)には、大活躍しますよ。頑張って。

プロフィール

kazanasi

Author:kazanasi
絵画、小説を中心に観たり読んだり、自作で作ったり。サブカル全般に興味があります。暖かい時期には山登りもします。アナログとデジタルの間を行ったり来たりしてる人間です。


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